シフォンケーキは皆さんがとても大好きなケーキのひとつです。
ところがシフォンケーキというと中央に穴の空いた背の高い専用の型がないと作れません。
そこで生徒さんからよく質問があります。
■シフォンケーキの型を持っていないのですが、別の型で代用できますか?
という質問です。
その質問ににお答えしたいと思います。
ちょっとマニアックに長くなるので、簡単に知りたい方は動画でご覧くださいm(__)m
最初に答えを言ってしますとNOです。代用はできません。
その理由は…
シフォンケーキというのは、通常のスポンジケーキと言われるようなショートケーキに使うようなスポンジケーキとはちょっと違う配合なんですね。
とても水分が多いんです。
水分が多いといいますか、水分に対しての粉の割合が少ないので、
とてもつぶれやすくできています。
焼きあがっても水分がすごく多く残るため、とてもつぶれやすくなっています。
通常は卵の泡の周りに粉がついて焼き上がると卵のタンパク質と粉のタンパク質によって骨格が成形されます。
その骨格を整形するために小麦タンパク質のグルテンというものは水分と結びつくのですが、
卵の水分であったりミルクの水分であったり、何でもいいですが水分が必要です。
ただシフォンケーキの場合は小麦粉が保有できる以上の水分をケーキ生地に入れて焼き込むことになりますから
骨格は出来るのですがその骨格が保形できないのです。
■何故、焼きあがった後、型を逆さにして冷ますのですか?
ですから暖かいうちに皆様厚焼き卵焼きを焼いた事があるでしょうか
卵焼きを焼いてそのままですと四角いですが、すだれとかに巻いて温かいうちに形を作るとその丸い形になったりします。
卵は温かいうちは形が変化してしまうんですが冷めると形がそのまま保形されます。
シフォンケーキは粉の配合だけでは形が止めることができないので卵が冷めた時にその形を保つという力を利用して冷めるまで型の中で潰れないように保管してから出すことであの形を保てます。
底は型についているので逆さにしても縮みませんが、上部は型についてないのでそのままの向きで冷やすとしぼみやすいため、逆さにします。
■なぜ真中が空いているのですか?普通の型ではダメですか?
上記の理由で、わざと真ん中に穴が開いていて、背の高い筒があり、そこに生地がつくことでへこまないようにしてあります。
普通マドレーヌだとか他のケーキの方型は型から外れやすいように紙をしいたり、
バターを塗って粉をはたいたりという作業をしますが、シフォンケーキはそれをしてしまうと型から外れてしまう。
温かいうちに型の外に出ることになるためにケーキが潰れてしまいます。
はずれないようにしてその形をが冷めるまで保たせなくてはいけません。
ですので他の方型代用することができない独特の型ということになるわけです。
通常の丸いデコレーションケーキ型と言われる丸いスポンジの型にシフォンケーキの配合を流して焼こうとするとどうなるかと言うと焼いている時はまだ膨らんでくるのですが焼き終わりに近づくにつれ、また焼き終わって外に出すと表面積が広いため重さに耐えられず真ん中が凹んできてしまいます。
それと同時にせっかく膨らんだ泡も潰れてしまうということになります。
あの真ん中の穴の空いた背の高いつつがあるからこそあそこに生地がくっついて真ん中が凹まずに済むという仕組みになっていますので他の型で代用することが残念ながらできない形になっています。
一度習った時に今後シフォンケーキを作り続けるかどうか心配という方は
紙の型がですね販売されておりますので最初の何回かはその紙の型で作っていただき、
そして気に入ったりこれからも作るなと思ってからシフォンケーキの本物の金型を購入するのがいいと思います。
逆にパウンドケーキの配合をシフォンケーキの型で焼くとか、そういう逆は大丈夫です。
普通のデコレーション用のスポンジの配合をシフォンケーキで焼くということもできます。
シフォンケーキの型を普通のデコレーションの型だとか、マドレーヌの型だとか、カップ型で焼くということができないということなのでそこを了解の上作ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Studio-gemma 高橋教子(^^)/
コメント